多様化するお墓の種類と選択肢
近年は、樹木葬や合祀墓といった新しいスタイルのお墓も増え、選択肢が広がっています。
その一方で「どれを選ぶべきか分からない」「先祖代々のお墓をどう守るべきか悩んでいる」という声も少なくありません。
今回は、春日井で代々お墓づくりに携わってきた 石原石材 株式会社の石原社長 に、伝統を継ぎながらも現代に合ったお墓の選び方について伺いました。

―― 最近はお墓の種類が多く、迷う方も多いと思います。プロの立場から、どんな選び方が良いのでしょうか?
石原さん:
おっしゃる通り、今は「個人墓」「樹木葬」「合祀墓」といった選択肢があります。
ただ、形の違いよりも大切なのは、“どこに向かって手を合わせるか”という気持ち です。
ご先祖様や家族に手を合わせる習慣をどう残していくか。そこを意識して、ご家族の暮らし方や将来を見据えて選んでいただくのが良いと思います。

―― 実際の相談事例にはどんなものがありますか?
石原さん:
例えば、息子さんが東京に住んでいて、お母さんは地元に強い想いがあるご家庭がありました。
「お父さんのお墓を合祀にすべきか」と悩まれていたのですが、私は「お母さんが元気なうちは、ちゃんとお参りできる形を残すのが良いのでは」とお話しました。
また、春日井の霊園にあるお墓について「名古屋から通うのが大変で、息子は滅多に来られない。墓じまいを考えている」というご相談もありました。

―― 樹木葬や合祀墓などを選ぶ方も増えていますね。
石原さん:
樹木葬はお値打ちなケースもありますが、二人目以降は追加費用がかかることも多いんです。
結果的に、小さなお墓を建てて守っていく方が負担が少なく、伝統も残せる 場合があります。
そのため、シンプルで価格も手頃な 8寸角の小さなお墓 をおすすめすることもあります。
―― 両家のお墓をどう守るか、という悩みも増えていると聞きます。
石原さん:
そうですね。最近は「父方と母方、両方のお墓を守っているけれど、次の世代にまで背負わせるのは大変」というケースが多いです。
そういうときは、母方のお墓を合祀へ移すなど整理することもあります。
守るべき伝統と、次の世代に負担をかけすぎない工夫、その両立が必要 なんです。
―― 高齢になると、お墓の維持自体が難しくなることもありますね。
石原さん:
はい。草むしりや掃除がご負担になることもあります。そうした場合は「ロッカー式の室内納骨」を提案することもあります。
石屋としては石のお墓を勧める立場ですが(笑)、一番大切なのは、ご家族が無理なくお参りを続けられる形を残すこと です。

―― お墓を選ぶタイミングについてはどう考えたらよいのでしょうか?
石原さん:
多くの方が「何かあってから」慌てて探されます。けれど本当は、お墓も葬儀社さんも、そしてお寺さんとも、事前にお話をして準備しておくことが大切 です。
急に決めると余裕がなく、結果的に「もっと考えればよかった」と後悔されることも少なくありません。
当社では、ご相談いただいた方と 実際に霊園へ一緒に行き、現地で墓石を見ていただく ようにしています。
室内で見るのと屋外では石の色の見え方が違いますし、さらに10年経つと石の質によって風化の仕方も変わってきます。新品のときにはなかなか気づきにくい部分なんです。
お墓は 一生に一度の買い物であり、何度も買い替えるものではありません。
だからこそ、じっくり現地で確かめ、ご家族でしっかり話し合いながら選ぶことが大切です。
そしてその時間そのものが、ご先祖への想いを次の世代へつなぎ、伝統を受け継ぐ大切な一歩 になると考えています。

―― 最後に、お墓選びを考えている方へメッセージをお願いします。
石原さん:
お墓の形は時代とともに変わっても、手を合わせる心と、その文化を受け継ぐことの大切さは変わりません。
お墓は「家族のつながりを次の世代へ渡すための場所」だと思っています。
だからこそ、私たちはお客様のお話を丁寧に伺い、そのご家族に合った方法をご提案することを大切にしています。
取材を終えて
👉 「形よりも想い」。それが石原社長の口から繰り返し語られた言葉でした。
迷う前に、ご家族で少しずつ話し合ってみる。そんな一歩が、未来へ伝統をつなぐ大切な時間になるのかもしれません。
取材協力
石原石材 株式会社
春日井本店|愛知県春日井市大泉寺町字大池下443-300(潮見坂平和公園前)
TEL.0568-81-1261
https://www.ishiharasekizai.co.jp

